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help RSS 「冬物語」 2/24@シアタードラマシティ

<<   作成日時 : 2009/03/02 23:25   >>

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仕事帰りのシェイクスピア劇では睡魔に襲われる危険性大なので、
「唐沢さんが嫉妬に狂うのだな、ふむふむ。田中裕子さんは二役ね、よしよし」
その程度の予習で臨んだこのお芝居。なかなか面白かったのですよ。

舞台セットも衣装も、シチリアは赤、ボヘミアは青。レオンティーズの嫉妬の炎には、赤がよく似合う。反対に、村人が歌い踊る穏やかなボヘミアには青が似合う。

<あらすじ>
シチリアの王・レオンティーズ(唐沢寿明)と、ボヘミアの王・ポリクシニーズ(横田栄司)は幼馴染。シチリアに滞在中、ポリクシニーズは、レオンティーズの妻・ハーマイオニ(田中裕子)から帰国を引き止められる。レオンティーズは、自分が帰国を引き止めても揺るがなかったポリクシニーズの気持ちが、妻によって変わったことで、二人の仲に疑いを持ち、嫉妬の炎を燃え上がらせる。レオンティーズは、忠臣カミロー(原康義)にポリクシニーズの毒殺を命じるが、カミローはポリクシニーズとともに、シチリアから逃げ去る。レオンティーズは、妻を投獄、獄中で生まれた赤ん坊を、家臣アンティゴナス(塾一久)に捨てるよう命じる。アンティゴナスの妻・ポーライナ(藤田弓子)は王妃の潔白を進言するが、レオンティーズは聞かない。ついに王子と王妃が心労で亡くなった時、レオンティーズはやっと自らの過ちに気づく。
それから16年。ボヘミアに捨てられた赤ん坊・パーディタ(田中裕子・二役)は、羊飼いの親子(六平直政、大石継太)に拾われ、美しい娘になり、ポリクシニーズの息子である王子・フロリゼル(長谷川博己)と恋に落ちていた。羊飼いに変装し、パーディタの家に通うフロリゼル。“羊の毛狩り祭”には、フロリゼルを始め、小悪党オートリカス(瑳川哲朗)、息子の相手を探りに変装してきたポリクシニーズ、カミローや村の者が集まる。フロリゼルの親に対する態度に激昂したポリクシニーズは、二人の仲を許さないと言い、立ち去る。パーディタと共に逃げようとするフロリゼルに、カミローはシチリアへ行くことを勧め・・・
ふたりは、どうなるのか?レオンティーズとポリクシニーズの仲は?レオンティーズとパーディタの父娘は?そして、信じることで奇跡は起こるのか?


1幕は、いきなりひたすらレオンティーズが嫉妬で怒りまくり、周りの宮廷人が注進するも火に油。妻が潔白を訴えても聞く耳持たず、アポロの御神託も信じず、ずーっとずーっとその調子なので、却って眠気に襲われた・・・。レオンティーズよ、じゃ、どうすりゃいいのさ、どうしたいねん、なんて思ってたら、私は寝かけてました・・・。で、王妃が亡くなったと聞かされると、突如、レオンティーズ後悔。その突然ぷりに、私の眠気も飛んだ。ほんとに困った夫だよ・・・。
2幕は、面白かった。パーディタが羊飼いに拾われたので、登場人物も平民ばかりで、そこへ小悪党まで加わり、しかもお祭。王様や王子様まで変装して紛れてる。お祭だから楽しい音楽が入るし、お花もいっぱい、王子とパーディタはラブラブで、こちらの気分も盛り上がる。ポリクシニーズの激昂で、一瞬しぼむものの、羊飼い父さんがとにかく落ち込んでも楽しくて、笑わせてくれる。
舞台がシチリアに戻って、普通に考えたら、レオンティーズとパーディタの父娘再会とか、ポリクシニーズとの再会と友情の復活とか、そういう感動場面を作りそうなものだが、飛ばされて説明台詞で済まされ、あれれと拍子抜けしていたら、その後に、ハーマイオニとの再会という、もっと大きな再会のシーンが用意されていた。そりゃ、この場面の印象を強くしたいなら、他の再会シーン作れないわな。ハーマイオニとパーディタが一人二役であるための早変わりなど、舞台ならではの楽しみもあった。ハーマイオニが生きてたって、今まで何で皆、気づかなかったんだよ、とか、そんなことは言いっこなしで楽しんだからいいのだ。偶然がたくさんあるけど、そんなことも言いっこなしでいいのだ。「よかったよかった!」「めでたしめでたし!」で終わるのも、またお芝居の楽しさ。

唐沢さんは、評判のよかった『コリオレイナス』より、私はこういう役のほうが好き。唐沢さんはとても器用で上手い役者さんだと思うけど、ちょっとロボット的精巧さに感じて苦手だったんだけど、このレオンティーズは嫉妬に狂って、とても人間的で、生身の役者さんぽくて好き。
田中裕子さんは、もう・・・凄い人です。色っぽく優雅なハーマイオニと、若いパーディタの二役は、もう見事。特にパーディタ役なんて、人によっては、ブリッコ(死語!)で、あざとく見えそうなところを、もう何の違和感もなし!屈託のない表情、若く青いシャキシャキした動き。長谷川くんと親子でも不思議ではない年齢だとは思えない。どっから見ても恋人同士。いや〜、役者は凄いわ。
藤田弓子さんは、素敵でした。暖かい中にも、凛とした強さがあって。レオンティーズを諫め、堂々と進言していたのが、女性であったのが面白い。藤田さんが持っている柔らかさで、きつい女性に見えなくてよかった。イメージでは『ロミオとジュリエット』の乳母も似合いそう。
六平さんは、もう横一直線にボワボワと立てた髪型だけで、既に笑かします。落ち込んで呆けた顔でリヤカーに横になり、足で漕いでるのも、おかしくておかしくて。2幕は六平さんのおかげで、ずいぶん楽しんだ。
長谷川くんは、すっかり蜷川さんチームの王子様役者ですな。長身で細身だから立ち居振る舞いも美しく、すっとした顔立ちで、かっこいい。舞台マジック?わりとクールなイメージだけど、今回は恋する熱さもよかったです。

お芝居冒頭でレオンティーズとポリクシニーズの飛ばす白い紙飛行機が、赤いシチリアのセットの前で、弧を描いて回り続けるのを見た時に、ふうっと現実から離れられるようで、なんかとても好きでした。

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