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帝劇に着いたのは、開演45分くらい前。前回来た時も同じくらいの時間だったけど、そのときと比べて、ロビーにいる人が多い。私と同じように遠征組が多いのか、それともやはり千秋楽は観客も気合が違うのか。開演10分前に席に着く。思っていたよりもずっと、舞台が近い。 意味などいろいろ考え出すと止まらなくなる、この作品。でも今回は、5年前の千秋楽を思い出して、頭ではなく、歌詞をちゃんと聞いて、心で感じようと思う。 『奇跡の子』 涼風真世さんの男爵夫人は、初めて。意外と、今まででいちばん地味な大人しい男爵夫人像。役作りなのか、それとも、ドレスの色や童顔の顔立ちのせいか。 『人は忘れる』 曲の中程で、舞台奥から身体を揺らしながら、ピアノを弾くヴォルフガング(井上芳雄)が現れる。初演の頃から、とっても好きな場面。もうここだけで、ヴォルフガングの純粋な性格が感じられる。 『赤いコート』 今回のナンネール(高橋由美子)は普通の驚き方。その日に感じるままなのね。「♪どうだ、よく似合うだろ」と、調子乗りのヴォルフガングは、バレエを踊っていた。なんで、バレエやねーん(笑)。ヴォルフガングが新しいセレナーデを「♪譜面に書いてないだけ」と聞いたパパ(市村正親)がクラッとよろけるのは、今期はデフォですな。「♪コートを渡せ!」とパパに叱られた後のヴォルフガング、この日はなかなかコートを脱がなかった。ほんとに悔しそう。まだまだ子供っぽいヴォルフガング。 『僕こそ音楽』 大好き・・・!ほんとにこの曲好き。アマデとの絡みかたも好き。この頃は、ふたりが同じ方を向いているから、アマデも柔らかい顔をしている。井上君の柔らかい声で歌われると、こちらも優しい気持ちになる。最後の音もよく伸びる。 『何処だ、モーツァルト』 アルコ伯爵(武岡淳一)、歌(リズム?)が上手くなった気がする。この日のヴォルフガングはパパに頭を押さえつけられて、無理矢理、コロレド(山口祐一郎)に頭を下げさせられている。召使の手を除け、最後テーブルに飛び乗ったヴォルフガング、引っ込むときに大きい声を出していた。これも日によるね。 『私ほどお前を愛する者はいない』 引っ込むときのパパ、お遊びいっさいなし。実は私は、パパ役は遊びなしのほうが好き。パパの厳格さとか強調される。パパがお茶目なことすると、ヴォルフガングの悪ふざけを、そんなに怒らなくていいやん、て気になる。こういとこは真逆な親子であってほしい。 『まぁ、モーツァルトの娘さん』『心を鉄に閉じ込め』 ナンネールはこの頃はまだ、本気でヴォルフガングと一緒の“魔法の国の物語”を信じていたのかなぁ、と思うと、せつない。パパのほうは、親なら普通に言うことばかりなんだよね。でも子供としちゃ、言うこと聞けないのもわかる。むむむ。 『マトモな家庭』 セシリア(阿知波悟美)、アドリブ飛ばしてた〜。アロイズィアが歌いだす時に鍋をコンと叩いて邪魔したコンスタンツェ(hiro)に、セシリア「コン、コン、コンスタンツェ、なんちゃって」(笑)。アロイズィアの歌を聞いたヴォルフガングの「美しい〜!」に、すかさず「私が生みました!」(笑)。阿知波さん、最高。コンスタンツェがヴォルフガングを気に入ってる感じは、前回よりグッと出てきた。 『残酷な人生』 前期と比べて、すっごく変わったのは、この歌かも。母を亡くしたヴォルフガングの絶望や怒りが、前期のような小芝居全くなしでも、伝わる。一曲の中での感情の起伏の表現がクリアになったというか。一曲全部を同じ一律の感情で歌っていない。すごくいい。 『居酒屋』『チョッピリ・オツムに、チョッピリ・ハートに』 最高に楽しい一曲。5年前の千秋楽にもアドリブがあったから、期待してました、はい。シカネーダー(吉野圭吾)の腰フリ付きの「♪私が誰だかご存知か」で、「知らない」「知らない」「気持ち悪い」。「今、気持ち悪いって言った奴、誰だ。お前か?お前か?」と、この日のシカネーダーは犯人探しを決行。後ろにいたKENTAROさんの腕をつかんで「お前か。」と引っ張り出し、真横で再び腰フリ付きで「♪私が誰だかご存知か」。KENTAROさん「すいませんでした!」。その後、「で、知らない?知らない?」と、周りに訊ねるシカネーダー。最後にヴォルフガングが「気持ち悪くはないけど・・・知らない。」。シカネーダー「君も引っ張るね〜。」。井上ヴォルフはアドリブ拾うね〜。 「♪私の芸術は、観客の拍手が好き〜」で、いつものように拍手を煽るシカネーダー。いつもより、腕グルグルして煽る。観客も大拍手。煽りすぎてクラクラしてるシカネーダー。 今期のシカネーダーとヴォルフガングのダンスが大好き。この日、ヴォルフガングは女性を抱え上げて上手にはける時、「よっしゃぁぁ〜!」と大声出していた。 『星から降る金』 涼風男爵夫人の星金は、ソフトな語りかけ系。でも、すいません、オペラグラスで、モーツァルト一家の表情ばかり見てました。ここの3人の芝居、好きなんだもん。パパを見つめるヴォルフガング、その視線から目を逸らすパパ、励ますようにヴォルフガングの手を握るナンネール。曲の最後のあたりで、心を決めたようなヴォルフガングの表情。途中、男爵夫人を見たら、手を3人のほうへ差し伸べて歌っていた。うん、これいいね。おとぎ話を聞かせてるって設定だもんね。 今回も、ナンネールの「あんた言ってたじゃない、神様の次に大切なのはパパだって!」は強力でした。ヴォルフガング、アマデの手を振り払い、押しとどめる。 『神が私に委ねたもの』 この日のコロレドは、とうとう「ほんとに出ちゃったら、どうしよう。」と。爆笑でした。舞台上で、ほんとにオ○ッコ漏らしたら恐いっちゅうねん。 『全てがイカサマ』『並の男じゃない』 コンスタンツェ「うちに来る?」ヴォルフガング「あぁ!アハアハアハ!」と二人が盛り上がるのを遮るアルコ伯爵。「なぁにが、あぁ、アハアハアハ、だ。」とヴォルフガングのアホ笑いも口真似。この日は、アルコのアドリブも絶好調。胴切りマジックの箱に入れられたアルコ、「よぉし、じゃ、縦に切ってもらおう!」爆笑〜!アルコ「横に切られるのぉ?」セシリア「当たり前でしょ。」アルコ「たすけてぇ〜」の後、ヴォルフガング、「ザルツブルクのみんなに、横に切られるところを見せてやりたいよ。」と台詞をアレンジ。客席大拍手!井上ヴォルフ、上手いっ!アドリブ拾うね〜。 『並みの男じゃない』も、初演と比べると、歌い方がすごく変わった。初演の頃は、井上君の当時の歌い方ではノリがイマイチに思ったんだけど、今じゃもうノリノリ。発声が変わったのかな。なんだろ?綺麗な声で歌おうとしなくなったっていうか、気分に合わせるようになったんだろうか。 『このままのあなた』 「僕はピエロだ、幕が降りる寸前のね。役立たずだけど、作曲家でピアニストで、ほんのちょっと天才かも。」の台詞も、今期はなんだかよかったっす。ヴォルフガングは、意外と自分のことわかってたんじゃないかなぁ、と思った。全部わかってた上で、はしゃいでたんじゃないかなぁ。 胴きりマジックの箱に手を突っ込んで抜けなくなったフリのヴォルフガング、コンスタンツェに引っ張り抜いてもらってた。 『終わりのない音楽』 久々にどっぷりヴォルフガング目線で観ていたので、「♪彼を通し生きよう」と歌うパパを、重く感じる。 『僕はウィーンに残る』 初演のとき、ドキドキするくらい大好きだった場面。今も大好き。「♪自由だ〜」のところで、自分も目がキラキラする感じ。 『影を逃れて』 アマデの存在に対する恐怖を感じて歌いだす表情がよい。「♪不安でいっぱい」のあたりからの表情も。脅えるヴォルフガングの表情に対して、見下ろす人々は無表情。ひー・・・。この曲は、表情を観るのも、私の中でポイント。この日の井上ヴォルフガングは、声、よく出てました。 や、やっぱり長くなる・・・。2回に分けて、アップしよ。 |
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